個人サイトが隆盛していたのって、だいたい2000年代初頭だったと記憶している。
まだTwitterもpixivもなかった時代だ。
しかし。今じゃ、自分のサイト『絵ろ屋あくせす』のような個人の趣味サイトはすっかり見られなくなった。
まぁ、無理もない。
各種SNSとか。pixivとか。noteとか。
そういう大手の巨大サイトが多くのお客さんを集め、様々な情報や作品の発信者の承認欲求を満たしているわけだ。
お客さんの数=正義。
正義こそ力。パワーですよ。パワー。
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……と。自分もまた、つい最近までそういう考えでいたんだけど。
この個人サイトも何年も放置していたりしていたわけですが。
最近、ちょっと考えを改めるようになった。
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xとかpixivとか、俺のような絵師にとってこれまで魅力的だったプラットホームが、すっかり使いづらくなったんだよね。
忌憚のない表現をさせてもらえば、目障りな情報が多くなった。
生成AI関連のあれこれ、とかね。
ああいうものを見ると、げんなりするんだ。
絵を描く際に最初に必要となる『気力の炎』が消えちゃうの。
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…え? なに?
「じゃぁ、見なきゃいいじゃん」とな?
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んーと。あえて、質問に質問で返させてもらうけど。
きみ、できてる?
『不愉快なものを見ないようにする』ということが。
断言してもいいけど、「できてない」だろ? きみも。
乱暴な言い方をさせてもらえば
「おまえもできてねーことを、人に求めるなよ。ばーか」
って感じですよ。
「不愉快なものなら、見なきゃいいじゃない」
とかしたり顔で語るヤツに対しての、こちらの見解は。
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いや、別に。喧嘩を売っているわけではないです。いや、ほんと。
この記事の文章を読んで不快な気分になっていたなら、謝る。
ごめんなさい。
……でも、さぁ……。
そういうこと。そういうことなんです。
いわゆる『アンガーコンテンツ』ってやつ?
怒りの感情を誘うコンテンツに、人はついつい引き寄せられてしまうものなんです。
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「ふざけんな。どういう理由でそういう事になったのか、詳しく教えろ」
「え? こいつ何言ってんの? その真意はどこにあるわけ?」
……などなど。
ムカつきつつも、つい好奇心を誘われてしまう。
「お気楽なAI絵ばっかりアップしやがって」
とかムカつきつつも
「この腹正しい連中と対決していくには、まず敵を知るところから始めなくてはならん」
とかなんとか考えて、ついつい不愉快なものを見続けてしまう。
ある意味、『アンガーコンテンツ』って無敵なの。
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今、あらゆるネットサービスは
・「いかにお客さんの可処分時間を奪うか」
・「いかに見てもらうか」(インプレッション数を稼ぐか)
このふたつを最大の戦略的目的としている。
いや、難しい言い方せずに言えば
「たくさん見てもらって、たくさん広告料稼ぎたい」
……ってやつだわな。
広告料の出資者からすればインプレッション数は正義そのものだからね。そこんとこは、まぁ仕方ない。
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……でも、さぁ……。
その辺の向こうさんの狙いを、看破しつつだよ?
あえてアンガーコンテンツに引っ張られて、やたら時間と労力を消費していたりする俺たちって、いったい何なのさ?
アホとか? 馬鹿とか? 鴨とか? 餌食とか?
まぁ、そんな感じじゃん。
もう『食い物にされちゃってる』わけですよ。
ネットビジネスでSNSを運営している連中とか、そこで義憤系記事という形で『アンガーコンテンツ』をバラ撒いて荒稼ぎしている連中に。
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……もうウンザリなんだ。
これ以上、あの連中にナメられてカジられるのはイヤなんだ。
「もうお前らの狙いはわかってんだからさ。ささやかではあるけど、抵抗の意思を示させてもらうわ」
……という決意表明をさせてもらうべく。
そして、それを行動にして示すべく。
俺は今回、この個人サイトを再開させることにしたわけです。
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もうあと二年もしないうちに、SNSは生成AIによるフェイク画像、フェイク映像、フェイクニュースで溢れかえるようになる。
そして、ますますアンガーコンテンツで稼ぐ連中は大喜びだ。
対抗手段は二つ。
・ひとつ。見ない。
・ふたつ。見ないで済ませる仕組みを作る。
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この個人サイトの運営は、上記のふたつ目の『仕組み』作りの一環でもあるのだ。
「もう付き合ってらんねぇわ。あんなもん」
と書いた後で、また懲りずに何時間も見る気にはさすがになれないし。
「記事読みましたよ。自分ももまったく同意ですわ」
と言ってくれる人達の中に、自分が一目おく人物がいれば最高だ。
その人への尊敬の気持ちは、そのまま「見ない」を継続するエネルギーになるからね。
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そんなこんなで。
今年、2025年。
「今、再び! 個人サイトの時代がくるかもしれん!!
だってSNS全体がもう腐りきっているんだもん!!(笑)」
という目論見と見解のもと。20年ぶりに『個人サイト』に力を入れることに、意気揚々の今日このごろなのだ。
≪終≫
